恋愛SPGアメックス21 (1)

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修行って魔物だな。とどまるところがない。足るを知らない。自分らしく、俺イズ俺を貫くと決めたものの、やっぱり目や耳は情報を追っている。

その中でも、赤青紫だいすきこと砂原浩次が一番気にかかっているのが、入手済のSPGアメックスの最大活用法として挙げられている、マリオットへのステマ&プラチナチャレンジだ。

自分がブログ記事を書いて、SPGアメックスの申し込みにクリック誘導できる筆力があればいいけれど、そんなものは俺にはない。たとえ筆力があったとしても、後発組としては、なにか目立つための花火が必要だ。それは俺にはできない。正直ダサい。

日記ならまだしもアフィリエイトや誘導クリックを目指していくには、3番煎じやしゃごコピーの劣化みたいな記事ではだめだ。そのあとで、距離感を縮める人海戦術な付き合いをしていくことでもしないとアクセスは集まらない。記事のためと資本を投下することもなかなか難しい。だからと言って、ツイッターで他人に教えてもらったことをドヤ顔で書くなんて、テツでならした俺にはできない。

ならばせめて、周りのみんなが享受しているベネフィットを俺もこっそり流れに乗って得たい。それでSPGアメックスに関する収支は手じまいにしたい。ならば、てっとり早く、マリオットのプラチナチャレンジだ。それをやってみたところで誰も不思議には思わないだろう。

まずは自分で調べる。石橋を叩いて渡るのではなく、まずは叩く前に、石の材質調査だ。そこから叩き方も変わるはずだ。すぐに目につくマリオットのプラチナチャレンジに命賭けてる勢いで更新しているブログもあるけれど、やはりそのような情報は下駄があるな。結局の目的はSPGアメックス成約だからな。甘言だらけだ。

そんなのにひっかかっても、別に何もリターンはない。実際なかった。俺は大御所のブログ記事からカードの申し込みをしたけれど、大御所が俺に反応してくれるようになったのは、別のポイントから。だから俺はいつも信頼しているくぅさんに相談してみることにしている。

那覇のジャッキーステーキでの出来事はバツが悪かったけれど、良薬口に苦し。ああやって、忌憚なく接してくれる二人には感謝している。その感謝の意として、俺は、YUURIママさんとくぅさんが付き合っていることを出し抜いたり、無視したりはしない。同じ埼京線仲間でもYUURIママさんを気軽に誘うことはしない。住んでいるところは近くはないけれど、くぅさんとつるむ方が気が楽だ。俺だって家族もいるし、ヘンな誤解は面倒。

自分なりにいろいろ調べて、うまくやりくりすれば、9滞在トータル15万円くらいでできそうな気もする。念のため、18万見積もっておけばいいんじゃないかな。でも、そんなときに、駆け巡ったニュースは、「SPGとマリオット統合後の新しいプログラム」と「SPGアメックス終焉か?」だった。

これが鉄道の切符の話だったら、砂原浩次、いくらでも「あるべき論」を説くことができるけれど、ホテル業界なんかド素人もいいところ。やはりくぅさんにきいてみようかな、と思っていたところに、珍しく、くぅさんから誘いのラインが来た。

「久しぶりですし、ちょっと聴いてもらいたいこともあるんで近々どうですか。」

すぐに、今夜でもと言いたかったけれど、今日はみどりが職場の飲み会で遅くなることがわかっていたからなるべく早く帰宅したい。明日、と返信。品川のエキナカで日本酒を飲むことになった。

くぅさんに会って、いろいろ、教えてテルミーテルミーと言うからには、自分も予習をしていかなければならない。ステイタスマッチはなんとなくしてあったので、俺はマリオットでもゴールド。ここからプラチナへの階段を上がるためには、どうしたらいいか。いろいろなブログがある。目を引くのは何と言っても、プラチナチャレンジの仕組みそのものよりも、その過程で遭遇したベネフィットを強調するものだ。

客室のアップグレード。そして寝坊した時も心配いらないレイトチェックアウト。

限られた人しか入室できないラウンジでの飲食。腹減ったときも安心。

同じチャレンジをしている人と偶然遭遇し、たのしく、カンパーイ!YEAH!

そうか。この特典を得るために、9滞在すればいいんだな。よし予習はバッチリだ。

品川のエキナカは、結構日本酒もそろっているし、つまみもなかなか気が利いていていつも混んでいる。そこで会ったくぅさんとは、久しぶりといっても、ひと月くらいあいただけかな。年度替わりということもあって、お互い忙しかった。でも忙しいときでもいつも颯爽としているくぅさんは、今日は、なんだかちょっと疲れて見える。よほど重要なことを話したいのかな。

その割にはくぅさんの口は重い。だから空気を読んで、口火は俺が切った。俺なりのマリオットプラチナチャレンジの見解をのべた。するとくぅさんは俺を凝視した。

「知らないんですか?」

「は?9滞在でしょ。マリオットはオートグラフもマリオットでしょ。知ってますよ。コートヤードでもいいんですよね。もちろん、モクシーも。」

「あー。知らないんだ。新しいプログラムの概要というか、その詳細がでたんですよ。大きなプログラム変更の概要でしたから、もう、業界のレボリューションですよ。今日は一日、悲喜こもごもでした。泣いちゃった、ウーベイベーっていう具合のひともいましたよ。
まあ、とりあえず、チャレンジに関してはまだ変更は発表されていないのですがどうなるかわかりません。もし、存続したとしても、よく目にするブログに書いてあるような、アップグレードやらタダ飯は、期待しすぎないほうがいいかもしれません。タイミングの問題もあるから。あとは、安い料金を見つけて、値下げ交渉も、執念燃やすほどではないですよ。それにいつまで有効であるかわかりませんよ。ブログネタとしてチャレンジをやりたいならば、もう全然イケてません。アイデア勝負する場所もありません。でも、SPGアメックスの使い道としては、ひとつのあり方だとは思います。」

「はあ。変わったの?じゃあ、18万円かけてやったとしてもどうなるかわからないの?アップグレードや子供たちがプールでゆっくり遊べたりするわけじゃぁないの?」

なんて間抜けなことをまた言葉にしているんだろう、俺。不意をつかれるといつも間抜けになってしまう。

「うーん、あ!赤青さん、明日って、もしかして夜、時間とれます?」

「明日?うん。いいよ。それよりも、今日、くぅさんが話したいこともあるでしょう?それは?」

「ああ…。でも、赤青さんがプラチャレ考えていると思わなかったので、明日、また時間とってもらえるならば、それでいいですよ。タイミングがいい。明日もまた品川に、うーん、そうですね。17時半に高輪口でいいですか?成城石井のところにしましょう。」

「連荘になると奥さんも心配だろうから、今日は早く切り上げましょうか。あ。プラチャレの申し込みは明日会って、そこでもう一度考えて、明後日以降にしましょうか。」

くぅさんは結婚していたこともあるから、そういう気遣いができる。確かに連荘で遅いとみどりも面倒な態度をとるときがある。それはお互い様だからな。みどりが悪いわけではない。今日はあまり食べなかったからちょっと腹減った感はあるけれど、もう帰ることにしよう。明日はプラチナチャレンジの申し込みはしないでおこう。

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