ジョイフル (9)

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ここまでの話
みどりが習っているゴスペルの集いのため、福岡にやってきた砂原夫妻。福岡では砂原浩次とみどりは別行動。みどりはイケメン最上さんとおでかけ。あかあおは、タイミングがあったくぅさん、ゆらゆらさんとともに福岡組のJETくん、めんたさん、ハラトビサスケさんと6人でオフ会を楽しむ。気の合った6人の楽しい会でハラトビさんが伝えた青組『中のひとの秘密情報』は、オフ会前に寸暇を惜しんで会ったヤブローさんからすでに聞いていた内容であり、それは、旅友ユーチューバー、トラザンさんが航空会社から警告を受けたことだった。ハラトビさんからの情報は多少ヤブロー情報とは切り口が異なり、航空会社が迷惑行為に対して本腰を入れる様子であり、マイル会員資格はく奪、マイル没収、搭乗拒否など厳しい対応が視野にあると知り、驚愕することとなった。

はじめから読んでみる


※※ この物語はフィクションです ※※

ビアバーは、誘いの言葉のとおり1杯で切り上げ、翌日、土曜15時ヒルトンのロビーで、という約束で解散した。

ホテルに戻ると、みどりはまだ戻ってきておらず、気になったけれど、たまに羽を伸ばしていいと言った手前もあるし、実際、たまにしかないことだから、連絡はしないで、自分だけ、風呂に入って、先に寝た。移動もあったし、いろいろ話を聞いたりもしたから疲れて爆睡してしまい、みどりが何時に戻ってきたかも気づかなかった。

起きて、みどりも目が覚めたようだったので、

「楽しかった?」

とだけ聞いてみた。大きなあくびをしながらみどりは、

「うーん。ふぁのひはっはぁ~

と答えたのであとはもういいやと思った。遅く帰っても文句も言わず、余計な詮索もしない俺、いい旦那さんじゃん!!

朝食はSFC特典でついてきたので、とりあえず行ってみて軽く食べて、みどりはゴスペルの集いへ、俺は、いったん部屋に戻り、少し休憩して、お昼ちょっと前に、カッキーと約束した駅のくうてんに向かった。

カッキーはちょっと太ったようだけれど、顔色もよく、元気そうに見えた。ちょっと早めのお昼ごはん、何がいいかな。ちょっと疲れもあったので、とんかつを選んでみた。

カッキーは、福岡単身赴任。元気そうで、むしろ、俺が札幌支店のケアをしていることを心配してくれた。あのお局さんのことってもう全国レベルで知られちゃっているんだ。困ったもんだ。福岡は和気藹々なんだって。

それにしても、久しぶりに会う同期っていいな。そして、$honさんから連絡が入ったらしく、ラリッパさんと$honさんとKULであったことも話題にあがった。

「ほんと、人と人がどこでつながるかわからないね。」

とカッキーは言い、とんかつをほおばった。

「まじでそうだよな。ネットもあって、すぐにだいたいのことはわかったりもするし、友達の友達の友達くらいではたいていつながりそうだから、やたら変なことできないよな。」

と言って笑った。

「ねぇ、もう、福岡、3年でしょ。本社戻る希望出してる?」

「俺、ずっと、福岡に居てもいいと思っているんだ。今の職場の環境もいいし、通勤も楽だし。うちの奥さまは、ずっと23区で生きてきているから、福岡なんて、って言うけれど、一回こっち来て住んでみたら、絶対気に入ると思うんだけどな。まあ、無理強いはできないよね。」

と、その時はじめて少しさびしそうな顔をしていた。

「どっちがいいかわからないね。子供の学校のこともあるしね。」

と俺が言うと、うんうんとカッキーはうなずいた。

15時の10分前にくぅさんとヒルトン・シーホークのロビーに到着すると、すでに、ハラトビさんが、男性1人、女性2人と立ち話をしていた。俺は軽く会釈をした時、くぅさんが、笑顔のまま、小声で「あ。しゃんくすだ。めんどくせーな。」と言い、見えないように、俺の腕に肘で合図を送ってきた。参加者の誰かが、めんどくせーやつみたいだな。注意しないと。くぅさん、合図送ってくれてありがとう。そして、小走りで、お辞儀をしながら、4人のもとに駆け寄った。

「おっ。揃いました。では部屋に行きましょう。」

とハラトビさんが、みんなを促した。女性は二人とも40歳前後という雰囲気。俺をみても、表情を変えなかったが、くぅさんを見て、目を少し見開きすぐに笑顔になった。なんだ、イケメン好きがあからさまで、わかりやすい女性たちだな。レディース、あかあおに露骨に興味なし!!思わず笑っちゃったよ。

部屋は、ジュニアスイートのカテゴリーらしく、あの、タイタニックごっこみたいなものが出来る部屋ではなかった。それでも十分広く、窓の外には海が広がり、6人が部屋にいても快適だった。

参加者は大阪からの男性シャンクスさん、女性は、東京と言っても山梨からの杏さん、熊本在住のみるるさんだった。杏さんは、ハンバーガーの話で絡んだこともあるのでなじみがあるが、みるるさんは、SFC修行を始めたばかりのまだツイッターでも全く絡んだことのない人だった。

シャンクスさん、杏さん、みるるさんは互いに初対面。杏さんとみるるさんはFFでツイッター上ではからみがある。全員ハラトビさんリスペクトで今日の集いになったそうだ。

シャンクスさんは、すでにツイッターアカウントはクローズしてしまって、今は、クローズドで仲の良い人とやりとりしてるそうだ。ハラトビさんとは5年のつきあいで、あーてぃーだびゅの勉強会で知り合ったということだった。もちろんハラトビさんが講師。

へー、ツイッターやってなくて、普段の絡みもなくて、オフ会で予備知識ないまま他人と会うなんてすごいコミュ力。適応能力もハンパないのかな、そして自分に自信があるのかな、と思いながら、俺はあいさつをした。

「あかあおです。よろしくお願いします。」

すぐに、杏さんは、

「ツイッターでお世話になってますぅ。」

と軽くあいさつを返してくれた。みるるさんもぺこりとお辞儀をした。シャンクスさんは、

「あかあおさん、去年いきなりダブルで達成された方ですよね。はじめまして。僕のこと色々いう人いるみたいやし、色々聞いてはると思うけど、これがありのまま、ごくごく普通の常識人ですねん。せやから、これご縁に、仲良くよろしくたのみますわ。」

と何とも言えない妙な圧迫感があるあいさつをしてくれた。てか、すまない。俺、シャンクスさん、ノーマーク。存在も知らなかった。リアルはじめまして。名前も初めて聞いた。当然、色々は何も聞いていない。

あいさつのあと、簡単に乾杯をした。そこから歓談タイムだ。飲み物はそこそこ、フードはカワキモノとデパ地下で手配したものが置かれていた。良いカンジだ。

乾杯後も女性二人は引き続き、くぅさんにロックオン。くぅさんは、ニコニコしながら女性二人が話すことを聞いていた。途中、タピオカ、パイナップルケーキという単語が出たようだったので、台湾かな。基本はくぅさんがリードして話すのではなく、女性に話をさせている。さすがだ。本当に、すきがない。マジ、くぅさんのそういうところ尊敬する。俺にはない要素だから。管理者講習でも傾聴力を磨きましょうと言われたくらいだし。俺、その点はくぅさんみならって努力するわ。努力ね、あくまでも。

女性二人がくぅさんマークなので、あぶれた男3人が話すという構図になった。あーてぃーだびゅのプロ二人がいるから当然世界各地のおトクな発券地や、いくべき世界遺産の話になると思っていた。

俺は、航空の知識はまだ中級者の入口くらいしかないけれど、世界遺産となると話は別。俺、ほんと、地理、得意だったし。すぐに三大瀑布も言えるしね。イグアス、ナイアガラ、ヴィクトリア。ちゃんと、アルファソートで、美しく即答できるし。なんとか中級者の入口でも話について行けるはず。

あぶれ男闘呼組3人の口火を切ったのは、シャンクスさんだった。くぅさんはちらちら俺の顔を見て、大丈夫かなと心配そうな顔をしていた。シャンクスさんは、そんなことまったく気づかずにコロンボ刑事のように、顔をやや斜めにしたポーズをとって話し始めた。

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